「顧客単価が上がらない」という課題を抱え、悩んでいるショップ運営者もいるでしょう。顧客単価を上げる方法はいくつかありますが、なかでも「アップセル」は重要な手法です。アップセルを実施すれば、顧客単価が一気に上昇する可能性があります。本記事では、ECサイトで顧客単価を上昇させるのに効果的な「アップセル」について、詳しく解説します。上手なアップセルの方法を学び、顧客満足度の向上を図りながら効率よく顧客単価もアップさせられるようになりましょう。ECサイトにおけるアップセルとは?アップセルとは商品購入を検討している顧客に対し、より高額な商品を提案する販売手法のこと。アップセルを実施することで、顧客一人ひとりの単価アップが期待できます。たとえば、1,000円の食器を購入しようとしている顧客に対して、より良質な2,000円の食器を提案するのがアップセルです。提案後2,000円の商品を購入した場合、顧客単価は1,000円上がったことになります。そのため、アップセルは顧客の単価アップに効果的とされているのです。アップセルとクロスセルの違い売上アップのために用いられる手法には、アップセルのほかにクロスセルもあります。アップセルとの違いは、顧客へのアプローチ方法です。アップセルがより高額な類似商品を提案する手法であるのに対し、クロスセルは購入する商品の関連商品を提案する手法となっています。また、アップセルは商品の購入前に提案しますが、クロスセルは商品購入後に「併せて購入はいかがですか?」という形で提案するという違いもあります。クロスセルに関してはこちらの記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。クロスセルとは?アップセルとの違いやメリットなどを解説! ECサイトでアップセルを実施するメリットECサイトでアップセルを実施すると、以下のようなメリットが得られます。LTV向上顧客満足度の向上上記について、順に詳しく解説します。LTV向上アップセルは、LTV向上につながるのがメリットです。LTVとは、顧客一人あたりが生涯で生み出す利益を示す指標で、「平均顧客単価×平均購入頻度×平均継続期間」にて算出されます。たとえば、1万円の商品を3ヶ月に1回の頻度で3年間購入する場合、LTVは1万円×4回×3年=12万円です。しかしアップセルで2万円の商品を3ヶ月に1回の頻度で3年間購入するようになった場合、2万円×4回×3年=24万円になります。そのため、アップセルで顧客単価が上がれば、LTVの向上が期待できます。顧客満足度の向上顧客満足度の向上もアップセルの実施で得られるメリットのひとつです。アップセルで提案するのは高額であるだけでなく、悩みをより解決しやすいものや好みに合っているなど顧客にとってメリットになるものが大前提。そのため、アップセルの実施は顧客満足度の向上につながります。ECでのアップセルを成功させるポイントECサイトでアップセルを成功させるには、いくつかのポイントを押さえていなければなりません。ここからは、ECでのアップセルを成功させるポイントを紹介します。事前に顧客ニーズの分析を十分に行うアップセルを実施する前には、顧客のニーズをしっかり分析しましょう。感覚や先入観に頼った商品の提案では、購入してもらえない可能性が高いからです。商品の閲覧数や購入頻度などのデータを収集し、最近購入を検討した商品や興味のある商品など把握したうえでアップセルを行えば、顧客も購入を前向きに検討してくれる可能性が高くなります。まずは、顧客ニーズの分析を十分に行いましょう。顧客目線に立って提案する顧客目線に立って提案を行うことも大切。顧客目線に立った提案でなければ、自分に不要な商品を押し売りされたというネガティブな印象を抱かれる可能性があるからです。ネガティブな印象を持たれてしまうと、顧客のロイヤリティ低下につながり他社サイトに流れてしまうケースも。そのため、アップセルでは必ず顧客目線に立った提案を行うことが大切です。グレードの高い商品を購入しやすいように割引やクーポンを発行したり、商品購入で特別なサービスを受けられるようにしたりなど、顧客がメリットを感じられる提案を行いましょう。ロイヤルカスタマーに提案するアップセルは、ロイヤルカスタマーに向けて行うと成功しやすい傾向があります。自社の商品やサービスに愛着を持っているロイヤルカスタマーであれば、値段の高い商品を勧めたときに「良い商品なのだろう」と感じてくれる可能性が高いからです。ロイヤリティの低い顧客に実施するとネガティブな印象を持たれてしまう可能性があるため、アップセルはロイヤルカスタマー優先で取り組むとよいでしょう。まとめアップセルは、ECサイトの売上アップを期待できる販売手法のひとつです。アップセルを実施すれば、顧客単価の上昇につながります。顧客ニーズを把握し、顧客目線に立った上手な提案であれば顧客満足度の向上にもつながります。ロイヤルカスタマーに向けた提案であれば、成功率も高いです。「顧客単価が低く売上が伸びない……」などと悩んでいる人は、ぜひ自社ECでアップセルを取り入れてみてください。