「越境ECって何だろう?」「越境ECにはどんなメリットがあるのかな?」などと疑問を持っているEC事業者もいるでしょう。越境ECは、EC事業を国内でのみ行っている人にぜひ取り組んでみてほしい手法です。越境ECに取り組めば、新規顧客獲得や売上拡大を比較的簡単に叶えられる可能性があります。この記事では、越境ECの意味から市場規模まで詳しく解説します。越境ECに取り組むメリット・デメリット、始めるために必要な準備まで紹介するのでぜひ参考にしてみてください。越境ECとは越境ECとは、国境を越えてECサイトを展開することです。国内は少子化が加速し人口減少が懸念されていますが、海外に商圏を広げれば大多数の人を相手に商品を販売できます。そのため、越境ECに取り組めば比較的簡単に売上拡大を目指せます。越境ECの市場規模ここで、越境ECの市場規模をみていきましょう。日本の越境ECの総市場規模は4,208億円。前年と比べて18.1%増加しています。世界の越境EC市場は、2021年時点で7,850億USドル。2030年度には、7兆9,380億USドルまで拡大することが予想されています。越境ECの利用意向調査によると、訪日後に越境ECで商品をリピート購入したいかという問いに対し8割以上が「リピート購入で越境ECを利用したい」と回答したとのこと。そのため、越境ECに取り組めば事業規模の拡大、売上アップを大いに期待できるといえるでしょう。越境ECのメリット越境ECに取り組むメリットには、以下のような点が挙げられます。新規顧客を獲得しやすい海外にも簡単に出店できる事業が大きく飛躍する可能性がある上記について、順に詳しくみていきましょう。新規顧客を獲得しやすい越境ECは、新規顧客を獲得しやすいのが大きなメリットです。越境ECでは、日本の数倍の人口を相手に商品を販売できます。また、国内には競合が多い商品でも、海外では競合が少ないケースも多いです。そのため、国内では新規顧客を獲得しにくい状況である企業も越境ECに取り組むだけで新規顧客を獲得しやすくなります。海外にも簡単に出店できる越境ECは、海外にも低コストで簡単に出店できるという魅力もあります。実店舗で展開する場合、海外でテナントを契約する必要があります。さらに、店舗で販売する商品を運び込んだり、店舗に立つスタッフを雇用したりしなくてはなりません。そのため、出店するにあたり多額のコストがかかることが予想されます。しかし、ECサイトを通じた商品販売である「越境EC」なら、テナント契約も商品の運び込みも店舗スタッフの雇用も不要。実店舗に比べてかなり低コストで、海外向けに簡単に出店できるのが大きな魅力です。事業が大きく飛躍する可能性がある事業が大きく飛躍する可能性があるのも、越境ECに取り組むメリット!日本製品は高い技術で作成された質の高い商品であることから海外の人に魅力的に映ることも多いといわれています。実際、訪日時に日本国内の製品を購入した海外顧客の8割が越境ECでリピート購入を希望しているというデータもあります。そのため、越境ECに取り組めば新規顧客獲得だけでなく潜在顧客へのアプローチによる売上の大幅な増加や事業拡大が見込めるでしょう。越境ECのデメリット新規顧客の獲得しやすい点や事業の大きな飛躍を見込めるなどのメリットがある越境ECですが、デメリットもいくつかあります。ここからは、越境ECにおけるデメリットを詳しく紹介します。高額な輸送コストがかかる越境ECのデメリットは、輸送コストが高額になる点が挙げられます。越境ECでは、基本的に日本から海外への輸送が必要になります。輸送コストは、国内配送よりも高いです。そのため、高額な輸送コストがかかる点は大きなデメリットといえます。販売する国・地域ごとの法律・規制について把握する必要がある海外では、国や地域ごとに法律や規制が異なります。すべての法律や規則を覚える必要はありませんが、商品を販売する国の法律や規制はひととおり把握しておくことが大切です。たとえば、アメリカで食品や化粧品などを販売する場合にはFDA(アメリカ食品医薬品局)の事前申告番号取得が必須です。このような法律・規制を破って商品販売を行うと、懲役などの罰則を受ける可能性があるので注意しましょう。越境ECを始めるために必要な準備新規顧客獲得や事業拡大が見込める越境ECですが、失敗しないよう始める前にはいくつかの準備が必要です。ここからは、越境ECを始めるために必要な準備について解説します。販売するターゲットを決めるまず、販売するターゲットを決めましょう。世界のEC市場は大きいため、ターゲットを絞り込んでしまうのはもったいないような感じがするかもしれません。しかしターゲットが絞れていないと、さまざまな施策を取る必要が出てきてしまいコストが増大する可能性があります。各地域の消費行動の特徴や主要な言語などを把握したうえで、商品を販売するターゲットを絞り込みましょう。商品の在庫を確保するターゲットを決めたら、販売する商品の在庫を確保します。商品のなかには輸出に規制がかかったり、国際間輸送で送れなかったりするものもあります。輸出は問題がなくても、輸入関税・輸送費が高く販売しても利益を出すのが難しい商品も。販売する商品は規制や法律に違反していない、かつ利益を出せる商品のなかからターゲットに刺さりやすいものにしましょう。出店パターンを選択する越境ECでは、出店パターンの候補がいくつかあります。現地モールに出店する現地法人を設立し自社で越境ECサイトを構築する日本国内の越境ECサイトや国内モールで対応する現地法人を設立して自社ECサイトを構築する方法は、難易度が高いとされています。国内の越境ECサイトや国内モールで海外からの注文に対応する方法、現地モールに出店する方法であれば初めての越境ECでも取り組みやすいでしょう。商品の在庫確保ができたら、上記の中から自社に合う出店パターンを決定して販売をスタートさせましょう。まとめ越境ECは、国境を越えてEC事業を展開することです。越境ECの市場規模は年々拡大しており、今後も右肩上がりに拡大していくことが予想されています。海外のEC市場は、国内市場の数倍以上の人口を相手にできる巨大なマーケットです。国内で伸び悩んでいる場合も、越境ECに取り組めば売上の大幅な増加が期待できます。越境ECも取り入れて、EC事業を大きく成長させてみてください。